
YouTube生配信より、【歯間ブラシ・フロス】について切り抜き動画をアップしました!
歯間ケアの基本と道具の選び方
〜歯科衛生士が実践するケアとアドバイス〜
歯と歯の間のケアは、歯ブラシだけでは補いきれない大切なポイントです。今回は、私自身が日々実践しているケア方法や、歯間ブラシ・フロスの選び方についてご紹介します。
私は最近、ワイヤータイプの歯間ブラシではなく、シリコンタイプの歯間ブラシを使用しています。その理由は、歯間ブラシは歯と歯の間に「入る場所」と「入らない場所」があるからです。
たとえば、上の前歯に使う場合、非常に細い「4Sサイズ」などであれば入ることもありますが、無理に毎日使い続けてしまうと、歯ぐきが下がってしまう原因になる可能性があります。これは、年中ゴムを引っ張っていると伸びてしまうのと同じようなイメージです。
そのため、私は上の前歯には歯間ブラシを使わず、下の歯にはあえて少し大きめの「SSサイズ」を使用して、歯石になりかけているプラークを効果的に取り除くようにしています。
ワイヤータイプの歯間ブラシは入れやすい反面、奥歯には使いづらく、間隔がわからず正しく使えていない方も少なくありません。
その点、挿入して引き抜くだけのシンプルな構造のものは、扱いやすく感じます。
たとえば、シリコンタイプの歯間ブラシには表面に小さな突起がついており、その突起にプラークが絡み取られる仕組みになっています。
このタイプはゴシゴシとこする必要はなく、ゆっくり挿入し、引き抜くだけで汚れが取れるのが特徴です。
器用な方であれば、まず右側を意識して引き抜いたあとにブラシを洗浄し、同じ箇所に再度挿入して今度は左側を意識して引き抜くと、より効果的に清掃できます。
歯ブラシだけではプラークは取り切れません
歯ブラシだけで除去できるプラークは、約65%といわれています。
残りの約35%は、フロスや歯間ブラシを使わないと取り除けないのです。
そのため、歯間ケアは非常に重要なのですが、注意点もあります。
毛先が開いてパサパサになったフロスを使い続けるのは避けましょう。
特に、被せ物が入っている歯やむし歯がある歯に使うと、被せ物が外れたり、むし歯が欠けてしまう可能性があります。
フロスが苦手な方へ
フロスを正しく使うには、まず「しっかり歯間に入っているか」を鏡で確認しながら使うのがポイントです。
これはフロスに限らず、歯間ブラシや歯ブラシにも共通することです。
多くの方は「毎日歯磨きしています」とおっしゃいますが、“磨いている”ことと“正しく磨けている”ことは別です。
やりすぎにも注意が必要です。
患者さんのお話を聞くと、「1日2~3回磨いています」という方もいれば、「朝しか磨かない」「夜しか磨かない」という方もいらっしゃいます。
後者のような場合、歯周病やむし歯のリスクが高くなり、治療が必要になるケースもあります。
一方で、メインテナンスに定期的に通っている方は、セルフケアがしっかりできている場合が多いです。
しかし中には、「食後すぐ毎回磨いています」「フロスも歯間ブラシも全部使っています」「毎日舌のケアもしています」といった“やりすぎ”傾向の方もいらっしゃいます。
繰り返しになりますが、やっていることと、正しくできていることは別物です。
大切なのは、自分の口の中の状態に合った方法を選ぶことです。
自分に合ったケアを選ぶために
歯間ブラシが必要な方もいれば、すべての歯に使う必要がない方もいます。
どこにリスクがあるのか、どこを丁寧に磨くべきかを把握するためには、歯科医院での確認が大切です。
また、歯医者さん選びだけでなく、歯科衛生士選びも非常に重要です。
たとえば、
- ルーペ(拡大鏡)を使って丁寧にクリーニングしてくれる
- 染色してプラークが残りやすい部位を見せてくれる
- リスク部位について明確に説明してくれる
まとめ
歯間ケアは、「やるかどうか」ではなく、「正しくできているかどうか」がカギです。
自分の口の中を理解し、必要な道具を選び、正しい方法でケアを続けていくことが、むし歯や歯周病を防ぐ第一歩になります。
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