今回は、先輩衛生士やドクターはどうのように新人に指示をしていけばいいかというお話をします。
新人がミスをするのは指導者のミスでもあります。
新人衛生士がミスをする3大要素それぞれについて解説します。
ミス要因①【すぐやらない】→【優先順位を伝える】
新人はやることがたくさんあって頭の中がハチャメチャになっています。
そんな状態で指示を出しても何が一番優先度が高いのか?なんて分かりません。
ですので、指示と同時に優先順位を伝えてあげましょう。
例えば、
「〇〇を片付けておいてください」
と依頼をしたら
「これは優先度高くないから今の作業が終わってからでいいよ」
「これは緊急だから今の作業を中断してすぐにお願いします!」
など優先順位や重要性を同時に伝えてあげてください。
このような言い方で指示をしてくれると新人さんも「いつまでに〇〇をする」とメモを取ることができます。
もう1つのポイントは指示系統を1つにすることです。
「あの人にも、あの先輩にもお願いされた・・・」と何人もの先輩に頼まれたら誰の指示を優先すればいいのか分からなくなります。
例えば、
Aさんという新人には先輩衛生士の山田さんをつけ、山田さんの指示を優先して対応してくださいというように決めます。
他の先輩が新人のAさんに頼み事をしたい場合は山田さんに相談してからお願いするなど指示経路を1つにしておきましょう。
そうしないと、たとえ優先順位を伝えて指示をしても新人さんは混乱してしまいます。
ミス要因②【確認しない】→【質問しやすい雰囲気を出す】
新人さんに対して「分かんないなら確認してほしい・・・」と思ってる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
もしかして先輩のあなたが新人に確認させずらい雰囲気を出してませんか?
「やっといて!」と怒ったような口調で言われたり「それ教えたの2回目だよ」など言われたら本当に聞きたいことがあっても聞きにいきずらくなってしまいます。
ですので
「分からなくなったらいつでも確認取ってね」「何でも質問してね」
など聞きやすい雰囲気を上の人が作ってあげましょう。
チームとして質問しやすい雰囲気を意識し、いつでもフォローアップしますよという姿勢を見せましょう。
これはある医院に新人教育に行った時の話。
レントゲンの機械の設定は医院によって異なるので私は新人さんには教えられません。設定の仕方を教えてあげてくださいと先輩の衛生士さんにお願いをしました。
それに私も参加して教えてもらっていた時に(先輩にとっての教えるって伝えるってことなんだな)と一緒に参加して分かりました。
もし私が教える立場だったら、まず設定のやり方を一通り教え、その後一人ずつやってもらいます。
そこで一通り自分でできるようになったことを確認します。
ただ、翌朝も同じように一人でできるかは分かりません。ですので、同じことでも3回くらいまでは確認を取りながら教えることが必要かなと思っています。
やり方を説明しただけで、教えたと勘違いしてしまている先輩もいます。
なので確認できない雰囲気というのは
「1回説明したよね?」
「書いてあるよね?読んで覚えて」
と言ってしまっている先輩も少なくないです。
読み方、捉え方は一人一人違うので、説明するだけでなく確認しながら教えましょう。
新人さんが自分が説明・教えたことに対してどこまで理解しているかという理解度を先輩が確認してあげましょう。
ミス要因③【ゴールを勝手にかえてしまう】→【ゴールを明確に伝える】
先ほど記載したことと同じになりますが自分が言ったことを相手が同じように理解しているとは限りません。
「自分が指示したこと(ゴール)と違う」場合先輩がゴールを明確に伝えきれていない可能性があります。
例えば
「左側にホチキスとめといて」てはなく
「左上に一箇所ホチキスで止めておいて」などより詳細を伝えたり、「これみたいにお願い」などお手本を見せてあげると一番良いですね。
このようにすると認識のズレがなくなるのでゴールを明確に示してあげましょう。
もう1つのポイントとしては、1~10の工程があってその10工程を新人さんに頼むとします。その時に、自分(先輩が)どこまで責任をカバーできるかということを計算して依頼することです。
10工程ができるようになって初めて10工程をお願いするとなると時間がかかりますよね。
例えば10のことをお願いしたいと思った時に新人のAさんは現在3までしかできていません。(チャレンジすれば4まではできるかもな?だけど、残りの7は先輩である私がやろう)という余裕をもって依頼します。
そうすると、ゴールを勝手に変えてしまうようなことがあったとしても、例えばホチキスの止め方が違ったとして
(うわ・・・そうきたか・・・)と思ってしまったとしても
「私がちゃんと指示できてなかったもんね。」と言って
そのあと自分でホチキスをやり直すという心の余裕とそういうミスや自分の作業が発生するということを想定して責任を持って指示をします。
「これお願いね」と依頼したことは全部新人の責任だと思うのではなく、指示をした人が(最悪Aさんがミスしても、私がカバーできるな)というところまでの指示にしましょう。
そうでないと、新人さんばかり苦しい思いをしてしまいます。
最後に
先輩は教えるだけでなく、責任をもってサポートしてあげるという優しい気持ちを常に忘れずに持ってあげてください。
ただ、新人さんに言いたいことは先輩たちは怒ってるわけではなく医療現場だとどうしても声が荒くなってしまうこともあります。
「それやめて」「やらないで」と時には大きい声で言ってしまうこともあります。
しかし、それはあなたのことを憎んだり感情で言ってしまってるわけではないです。
起こってしまった事象に対して焦ってしまいきつい言い方になってしまうこともあります。
昼休みや日頃からコミュニケーションをとって優しい部分を見せていくことも指導者として必要だと思います。
「あの新人はダメだ」と思うのではなく自分の指導方法はどうだったかな?と振り返ってみてください。
▼前回の記事はこちら▼
https://career.sfy.co.jp/2023/09/22/新人衛生士がミスをする3大要因とその対策-①/
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